第8章 Last Episode
~和成side~
真ちゃんが駅まで送り届けてくれた。
俺は必死に階段を駆け上がり、
彼女の姿を探した。
と同時に電車のベルが鳴り響く。
"17時発 発車致します。 閉まるドアにご注意ください"
新幹線のドアが閉まりだす。
俺は彼女の姿を探した。
『和ちゃん!!!!!』
微かに佳代の声が聞こえた。
ふとその声の方向を見ると。
彼女が窓越しにこちらを見つめていた。
「佳代!!!!!!!」
"発車します"
そのアナウンスと同時に新幹線が動き出す。
俺は彼女の車両に必死について走った。
佳代が向こう側で何かを言っているが、
全く聞こえなかった。
「佳代!!!!!好きだ!大好きだぁ!ずっと!待ってるから!」
周りなど気にせずに無我夢中で叫んだ。
でも、新幹線はあっという間に加速していき、
姿がみえなくなってしまった。
俺はまた、
彼女に何も伝える事ができなかった。