第5章 中~僕編~
「和ちゃんが好き!和ちゃんに会いたいっ!寂しいよぉ…。和ちゃん…」
佳代はそう言って泣き崩れた。
頭が真っ白になった。
佳代が
俺を
好き…?
胸が破裂しそうなほど高鳴り、
泣き崩れた彼女を抱きしめて
めちゃくちゃにしたかった。
でも、頭には真ちゃんが浮かんだ。
また、大切な二人を裏切ってしまった。
もうこれ以上はだめだ。
心のどこかでブレーキがかかった。
俺は佳代を離しすぐにドアに向かい
屋上から出た。
"ドン"
誰かにぶつかった。
顔を上げた。
真ちゃんが居た。
体が硬直した。