第5章 中~僕編~
それから俺は出来るだけ佳代に会わないように過ごした。
佳代も当然ながら俺を避けているようだった。
きっともう
話すことすら出来ない。
完全に嫌われたはずだ。
当たり前だ。
俺は最低な事をしてしまったのだから。
でも、その方が互いに幸せなのかもしれない。
真ちゃんはたまに佳代の話をした。
でも、俺はすぐに話題を切り替えて
極力佳代の話を避けた。
次第に真ちゃんは俺の前で佳代の話をしなくなった。
それから俺は必死にバスケに打ち込んで
全てを忘れようとがんばった。
これで罪滅ぼしになるとは決して思わないが、
真ちゃんのために
出来る限りの事をしようと決めた。
俺は友人として
緑間真太郎のことが大好きだった。
何より真ちゃんの幸せを願おう。
そう思った。
虫が良すぎることはわかってる。
でも、今はそうする事しか
出来なかった。