第1章 上~君編~
秀徳高校に入り一ヶ月が過ぎ、慣れ始めた頃の話。
毎日幼馴染の高尾和成と一緒に学校へ通っていた。
「おい!佳代!俺のチームにすげぇ奴がいてさぁ!」
「また"キセキの世代"の人の話?」
和ちゃんはいつも楽しそうに私に同じ部活の人の話をする。
「いや、まじすげぇんだって!真ちゃん!」
「ははは、そんな和ちゃんが褒めるなんて、その人にいつか会ってみたいよぉー」
「え?会ってみる!?じゃぁ!昼休み連れてくるから!佳代もぜってぇー真ちゃんの事好きになるから!」
「分かった。楽しみにしてるね。」
これが私と緑間真太郎の出会いのきっかけだった。
そして、
これがすべてのきっかけだった気がする。
ふと空を見上げた。
透き通るような真っ青な空。
春の心地よい風が吹きぬけた。