第2章 中~君編~
私はそれから必要以上に和ちゃんを避けた。
姿が見えるだけで隠れた。
緑間くんは知ってか知らずか
たまに和ちゃんの話を私にした。
その度に罪悪感からか胸が痛んだ。
誰への罪悪感なのかは分からない。
和ちゃんへなのか
緑間くんへなのか…。
私はいつものように緑間くんとお昼を食べていた。
自分では上手く隠していたつもりだった。
でも、緑間くんは気がついていた。
「佳代?何かあったのか?」
「え!?なんで?」
「最近、高尾もお前もおかしいのだよ。」
「え…?和ちゃんも…?」
「お前が近くを通るだけで隠れたり、お前の話をするとすぐに話題を変えるのだよ。お前と全く同じなのだよ。」
「え?私と?」
「まさか気づいてないのか?お前も高尾の話をするとすぐに話題を変えるし、高尾がいるとすぐに隠れるのだよ。」
「…そんな事…ないよ。気のせいだよ」
「…そうか。」
それから緑間くんはその事について一切聞いてこなかった。
それがどうにももどかしくて
なんだか歯痒かった。
"キーンコーンカーンコーン"
昼休み終了の予鈴がなる。
「ほら、戻るのだよ。」
緑間くんは私を立たせようと腕を引っ張った。
私はそんな緑間くんの腕を引っ張り返した。