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[鬼徹]鬼神が愛した100の理由[R-15]

第4章 みっつめ『楽しそうに歌う所』(前編)


「ぷっは~~!皆と飲めるお酒って本当に美味しいねえ」


私は日本酒の鬼殺しが並々と満たされた升を一気に煽り飲み干し、すっかり飲み切ると酒臭い息を吐き出して心底幸せそうに笑って閻魔大王に話しかける。
大王はうんうんと頷き、同じようにニコニコ笑顔で鬼灯の方へと話しを振った。


「だよねえ~。鬼灯君もネムちゃんを見習いなよ、ネムちゃんは本当にいい子じゃない」

「ふへへっ。照れちゃうからお代わりしちゃおうかな」


手酌で一升瓶を掴み、自分の升へ注ぐ。
ついでに近くに居た鬼達にも薦める。


「そうやって大王が無責任に甘やかすからネムが甘えるんですよ。誰が面倒を看ると思ってるんですか」


ついでに注がれた枡をチビチビと煽り、仏頂面を更に顰めて非難めいた視線を大王に向ける鬼灯。
言葉を継ぐと更に何か言われそうで困った様子の大王にネムからの助け舟が渡される。

私は一升瓶を置いて枡を片手に鬼灯の肩に擦り寄った。
頭を肩に寄せて猫撫で声を出す。


「うう~ん、鬼灯い。いつもありがと~。感謝してるよう~」

「はいはい」

「鬼灯君、いつもありがと~ワシも感謝してるよ~」


鬼灯は一応不満の矛を治めた様子だが、それに便乗して大王もあのしゃがれ声で猫撫で声を出す。
そんな大王に近場の数人の鬼も目を向けた。

即投げ飛ばされるなりされるかと思ったが、一呼吸置いてスックと立ち上がった鬼灯にやや圧倒される。
彼の表情は威圧的であった。


「気色が悪いんでやめてください。さあそれよりどんどん食べて、どんどん飲んでくださいね。大王にもたまには楽しんで頂きましょう。さあさあほらほら!! 思う存分飲みたいって昨日言ってただろ」

「ひええ、自分でやるからいいよお! もがもがうぐぐっ」


酒やら食べ物を強制的に大王の口へと詰め込む。
逃げようとしても鬼灯の腕力でガッチリ抱き込まれ逃げる事が叶わない。
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