第3章 ふたつめ『金魚草に興味を持つ所』
― おぶおぶおぶ!!
沈んだ金魚草は色が悪い。
「溺れてるね」
「これはダメですね。金魚草は水草ではないということです。」
動きが鈍り始めた金魚草を取り出し、ぐったりするそれの葉を手拭で優しく拭いて他の金魚草と一緒に置いてやった。
私は記録を止め、鬼灯について行き瀕死そうにしてるそれから目をそらして金魚草畑を眺めてため息をつく。
「水中を本物の金魚みたいに揺らぐ金魚草、見たいなあ」
「…私、あなたのそういう所、好きですよ」
「? ありがとう。」
突然だったので理解できないものの、褒められた事に対して感謝を述べる。
金魚草の前で並んで屈み込み、黙って寄り添うだけでしあわせな気持ちがあふれる。
「色々調べて水草の金魚草が出来たら是非品評会に出してみましょう」
「ふふ、みんな驚くね」
寄り添う2人の後ろを座敷童が走って通り過ぎていった。