第2章 会いたかった
X791年、天狼島に行ったきり帰ってこなかった妖精の尻尾のメンバーが帰還したという噂がマグノリアで徐々に広がった。
そしてその噂は、数日でマグノリア中に伝わり、実際にこの目で7年前から姿の変わってないメンバーらを見た、という人の言葉で確実なものに変わったのだった。
「昨日なんてあそこの酒場でさっそくどんちゃん騒ぎをしていたぞ」
「やっぱり噂は本当だったのか」
「また騒がしくなるなぁ」
街の人らが口々に話す。
妖精の尻尾に期待する者、だが今は底辺だろう、と笑う者など様々だ。
二週間すれば大陸中に伝わり、
そしてその事実は旅人の耳にも入る。