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イケメン戦国◇甘い囁き◇R18

第10章 月の揺りかご/上杉謙信(夢主side)


何故だか自分でも分からない
一筋の涙が頬を伝っていく



「何故、泣く?」


「わかりません……」



余計な心配をかけないように笑みを作ってみるけど
胸がとても苦しい。


認めたくない想いを必死になって止めようとするんだけど__



「泣くな……」

「っ……」



流れ落ちた涙の跡を拭うかのように謙信様の舌が触れる。
だんだんと触れられた場所が熱を帯びてくる。


「お前は不思議な女だ」

「え?」

「俺の心をかき乱す」

「あっ……」




ゆっくりと押し倒されてしまい、身体が硬直してくる
そのくせ心臓はうるさいくらいにドキドキとしてしまう


何も言わず黙って私を見据えている瞳は
光りを宿してはいない



「この手を振りほどかなくていいのか?」


指を絡ませ床へと押し付けられている。

ぎゅっと握りしめられて痛いのに
振りほどく事が出来ない


振りほどくという事は、謙信様を拒否しているように思えてならないから

だから、私はその手を振りほどかない


謙信様の事をもっと知りたいと思う




触れ合えば少しは分かるような気がするから
もっと謙信様の事を知りたいと思う気持ちが
溢れてとまらない




好きになってはいけない__
頭ではわかっているのに


心がついていかないの
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