第9章 露天風呂
「はぁ~……」
幸せのため息が洩れてしまう
なんて贅沢な時間を私は過ごしているんだろう……
雪景色の中、空には見たことのないくらいの星々
そんな中で1人露天風呂に浸かっているなんて……
「幸せすぎる……」
お湯の温度はちょっと高めだけど
ひんやりとした空気が火照った身体を程良く冷やしてくれる
「湯加減はどうだ?」
「うん。ちょうど良いよ……って?!
政宗?!」
背中越しに声をかけられて
つい、振り返ってしまうと__
そこには一糸纏わぬ姿の政宗の姿が……
月明かりに照らされた政宗は格好良くて
思わず見惚れてしまうんだけど……
(って!!……そういう問題じゃないよ)
「ン? どうしたんだ? 湯あたりでもしたのか?(真っ赤になってる愛香は可愛いな)」
「ちょっ!! 入ってこないでよ」
「なんだ? 照れてるのか?」
からかうように笑いながら私に近づいてくるから
胸を隠しながら後ずさる。
もうっ
分かっててやるんだから
薄暗いとはいえ恥ずかしいよ
「来いよ」
「あっ……」
強引に腕を引かれて政宗の膝の上に座らされてしまった。
そのまま背中から抱きしめられて__
「身体……洗ってやるよ(すみずみまでな)」
「んっ……」
耳元で囁かないで……