• テキストサイズ

イケメン戦国◇甘い囁き◇R18

第49章 ピックアップ御礼作品【月夜に抱かれて】/光秀


「今夜は下弦の月だ──月を愛でながらの酒もまた格別だぞ」

「言われてみれば……」



開け放たれた襖の先には見事な下弦の月

人はみな美しく輝く満月を好むが俺はどうも好きになれん。



「綺麗な半月ですよね……まるで光秀さんみたいですよね」

「俺みたい……?」

「はい───下弦の月って真夜中に浮かび、陽が昇るとともに沈んでいくんですよね?」

「そうらしいな」

「光秀さんの仕事も……」

「愛香」

「ぁ……すみません。余計な事を……」



俺に悪いと思ったのか、分かり易いくらいに表情が曇っていく愛香。


俺はお前のそんな顔が見たくて、この腕に閉じ込めているわけじゃないぞ。



「酌を頼む」


盃を愛香の目の前に差し出すと柔らかに微笑み、徳利を手に取る。

なみなみと注がれた酒を一気に飲み干し、またも盃を差し出す。



「呑み過ぎはよくないですよ」
と言いながらも、またもなみなみと注ぐ愛香。



「これはお前の分だ」

「……私の……?」

「俺1人で吞んでいてもつまらん。付き合え」

「こんなに吞んだら酔っ払っちゃいますよ」

「酔うお前が見たい──と言ったら?」

「(またそうやってからかうんだから)
恥ずかしいから……イヤです」

「此処には俺とお前しかいないんだぞ。何を恥ずかしがる?」

「顔が……赤くなるから
(酔って顔が真っ赤になったら絶対に不細工になるもの。好きな人の前で不細工な顔なんて晒したくない)」


/ 379ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp