第46章 ピックアップ御礼作品【月夜に抱かれて】/謙信
よほど負けたくないとみえる。
自ら舌を入れ、俺を翻弄しようとするとは
作戦としては悪くはない。
だがな愛香
この俺がいつまでも受けにまわっているとは思わない事だ。
頬を染め、洩れる吐息
揺れる睫毛
俺を煽るには充分すぎるぞ。
「んっ……あ──
(謙信様の舌が……歯列をなぞってきて……ぞくぞくしちゃう……)」
耐えかねたのか愛香は、小さな手で俺の胸を押し返そうとするが無駄に終わるだろう。
いじらしく、愛おしい愛香。
お前を戦場に連れて行かないのは、俺以外の男の目にお前を晒したくないからだ。
出来る事ならば城の奥深くに閉じ込めてしまいたくなる。
俺以外は見るな
俺の事だけ考えていろ
傍にいない時だからこそ、俺でお前の中すべてを
満たせ────
だから
「愛香……我慢せずに達しろ」
「んあっ!
(ダメ……我慢できないっ……!)」
息を整える愛香を抱いていると掠れた声で
「次は……負けませんから」
目尻に涙をためながら俺を見据える愛香が愛おしくて、俺は笑みを浮かべ口付けを落とした。
愛香のいつでも傍にいたいという気持ちだけ貰っておくぞ───
【謙信】終