第45章 ピックアップ御礼作品【月夜に抱かれて】/家康
月明かりの下、一糸纏わぬ姿になった私は一心に家康に愛されていた。
愛されすぎて頭は惚けて何にも考えられない。
肌はほんのりと染まり、首筋や胸の膨らみには家康の愛の証が花のように散らされている。
耳を愛されれば吐息を洩らし、胸を愛されれば体を跳ね上がらせて応えてしまう。
潤った蜜壷からは蜜が溢れだして、家康の指を濡らしている。
家康に愛される悦びに身を任せている自分が愛おしい。
私を愛してくれている家康が愛おしい。
嬉しくて、幸せすぎて涙がとまらない。
そんな私の涙を家康の唇が拭ってくれる。
言葉では伝えきれないかも知れないけど、でもそれでも私は伝えたい。
「家康……」
「……なに?」
「好き__家康とこうしていられるなんて幸せだよ」
「……本当に……もう」
「ん?」
「あんたって厄介な生き物」
小さな声で呟く家康の耳が紅く染まっている。
もしかして照れてる?
「厄介だから__俺が傍で面倒を見てあげるから、俺から離れないで」
「うん……ずっと一緒にいようね」
好きだよ、愛してる
そんな言葉よりも嬉しくなってしまう家康らしい愛の言葉。
繋がった部分が一気に熱を帯びて、私は家康に抱かれている悦びに浸っていた。
【家康】終