第40章 素直になれなくて/織田信長
「お断りします!!」
「愛香!!」
いつも温和な秀吉さんが顔を真っ赤にして怒っているけど、それ以上に私だって怒っているんだから。
絶対に自分の意見を曲げる気はない。
「嫌って言ったら嫌なの!!」
「我が儘もいい加減にしろよ?」
「五月蝿い!!出て行ってよ!!」
「愛香!! 御館様の夜伽を断るなんて何を考えてるんだよ!!」
「あー!! もうっ! 秀吉さんは五月蝿い!!ほっといてよ!!」
「ほっとけるわけないだろっ!!」
「別に良いでしょ?!」
「よくないから言ってるんだ! 御館様の夜伽を断るなんてあってはならないんだからな」
「夜伽、夜伽って五月蝿い!!
そんなに夜伽が大事なら秀吉さんが代わりに夜伽のお相手をすればいいんじゃないの?!」
「……お前なあ……」
「とにかく!!
私は当分、信長様の夜伽のお相手はしませんからっ」
小言を言ってくる秀吉さんにわかりやすいくらいに顔を背ける私は、イライラとしていた。
「そんなに苛立つ事ないだろ?__信長様の気持ちはちゃんと愛香に向いているんだからさ」
「っ……う、五月蝿い!!秀吉さんの馬鹿!!」
まったく!!
女心が分かってないよ。
……私だって理解しようと努力してるんだから
(一応……)
でも、納得なんて出来ないよ。
「愛香、あのな……信長様の傘下に入りたいと思ってる大名は数多くいるんだぞ?」
「それくらい知ってるわよ!!」