第37章 風邪の妙薬/真田幸村
「どう?」
(なんか幸村の様子がおかしいんだけど……
佐助くんには悪いんだけど、あの薬大丈夫なのかな?)
「あー……」
(なんか頭がくらくらするんだけどよ……
身体が熱くてたまんねー)
身体の底から熱さを感じる幸村は、無意識に着物を脱ぎ始めている。
それに驚いた愛香は、着物を着せようと腕を伸ばすと幸村に引っ張られ、ころんと布団の上に転がってしまっていた。
「幸村?!」
「なんか……熱い」
「っ……」
さっきよりも数段と瞳が潤み、艶っぽさを放っている。そんな瞳に見つめられてしまっては、幸村の体調が悪いのも忘れて見惚れてしまう。
(やだっ……どうしよう?
いつもより色っぽくてどきどきしちゃうよ)
「愛香……」
唇に触れてくる幸村の指
軽く開いた口の中に指先が遠慮がちに入ってくる。
「舐めて……」
「んっ……」
舌の先で指を舐めると
「すんげー……気持ち良い」
瞳を閉じて、舌の感触を味わう幸村
その気持ち良さを愛香にも味わせたくて、指を咥え丹念に舐め回す
「んっ……あ……」
吐息とともに舌が指から離れてしまう
「お前……すんげーやらしい顔してるぞ」
「幸村も……だよ」
見つめ合い、くすっとお互いに笑うと求め合うように唇が重なっていく。