第32章 光秀の愛のかたち／明智光秀＆伊達政宗

光秀の持論に納得は出来ない
でも、何故か分からないが愛香は光秀の望みを叶えてあげたいと思ってしまった。


それは光秀があまりにも刹那的に微笑むから


それも愛情表現の１つと思えば……

常識では考えられない理屈で無理やり自分を納得させようとするが、なかなか決断が出来ない。

相手が政宗だから＿＿

光秀と恋仲になる前に関係があった相手
お互いに愛がなかったわけではない。

少なくとも愛香には政宗への愛があった。
でも、その想いはすれ違い結ばれる事がなかったのである。



もう一度、政宗に抱かれたら……
私の気持ちが変わってしまいそうで怖い


「光秀……」


離れていかないように強く抱きしめてほしい


「愛香……愛しているからこそ、お前の美しい姿を愛でたい＿＿
そんな俺を軽蔑するか？」


真っ直ぐな瞳は、とても真摯に受け止める事が出来る


軽蔑なんてしない
私が光秀の傍にいるのは他人とはちょっと違う愛しかたをする人だから
きっと私以外の女では貴方を受け入れる事なんて出来ない。

そう思ったから光秀の傍にいる事を選んだのに……
そんな事を忘れてしまっていたなんて駄目ね


光秀への想いを再確認した愛香は、光秀の提案を受け入れる決意を固めたのであった。