第29章 本気で惚れてるからこそ/豊臣秀吉(秀吉side)
愛香の頬を両手で包み込み、そのまま上にあげさせる。
視線が合わせられない愛香は、どこを見ていいのか右や左にへと視線を泳がしてる。
「愛香……俺の瞳を見ろ」
「う、うん」
「ちゃんと聞いておけよ」
「……うん」
「俺はお前に惚れている__
愛香も分かっていると思うが、俺は武士だ」
「うん」
「戦となれば自分の命を賭けて戦う。
信長様の御為、領民を守るために」
そうだ。
俺の覚悟は決まっている
「俺はいつ戦場で散るかわからない」
「そんなっ……」
「だったら……せめてお前は清い身体でいた方が幸せになれるんじゃないかと考えていた」
でも、今は違う。
だから、俺は俺の命のある限り精一杯、愛香を愛し抜く。
「秀吉は戦場なんかじゃ死なないよ」
頬に添えられた手に愛香の手が重なる。
「それに、私だって生半可な気持ちで此処にいるわけじゃない__
秀吉が好きだから。秀吉と未来を創りたいから居るんだよ。
でも、ありがとうね。私の事、真剣に考えてくれて」
「愛香……」
俺よりもしっかりとした覚悟を決めていたんだな
そんな愛香が愛おしくて腕の中に閉じ込める。
「私は私なりにちゃんと覚悟してるから
__どんな事でもちゃんと受けとめる事が出来るよ。
秀吉が私を愛してくれてるかぎり」
「ありがとうな」
もう迷ったりはしない。
「俺にお前のすべてをくれ」
俺のすべてでお前を愛したい
お互いが後悔しないように
「あー……あとな」
誤解をといておかないとマズいな
「ん?」
「言っておくが、愛香は魅力的だし俺は『いんぽ』でもないからな」
「あ……」
愛香の手を熱く滾っている男根に触れさせる
「愛香の事を考えるだけで、こうなっちまってるんだよ」