第1章 嵐の夜のおあずけ/伊達政宗(夢主side)
ん……
重たい……
障子越しに朝日が入ってきて眠りから覚めようとしていた私。
横向きになっている私の背中から肩にかけて
心地よい暖かさと重み
う、動けない?
身体を反転させようと動くけど、どうにも動けない。
上半身もそうだけど下半身にも重みが……
まだ重たいまぶたを開けてみると
「うで……?」
誰かに腕枕をされてるのがわかった。
誰の腕の中にいるのか確認したくて、もぞもぞと身体を動かしていると
「ん……もう……起きたのか?……もう少し……寝かせろよ……」
寝起き特有な、かったるい甘い声
その声だけで誰の腕の中にいるのか分かってしまった。
「政宗……」
「おはよ……」
動くのは許さないと言わんばかりに腕の力を込めて抱きしめられる。
どうして政宗の腕の中にいるの?
辺りを見回すと私の部屋じゃない事が分かった。
この部屋は安土城にある政宗の部屋
昨日の記憶が鮮明じゃない
あれ?
なんで?
「ねえ……政宗」
「ん?」
髪の毛をかきあげて、露わになった私のうなじに唇が這ってくる。
「ン……っ」
背中がぞくぞくっとして震えてしまう。
「なんだよ……?」
艶っぽい声が私の耳をくすぐって、聞きたい事が聞けなくなってしまう
お願いだから……
やめて……