第25章 俺の女である/織田信長
「政宗!! お前っ! 何を考えてるんだよ!!」
「はあ? 欲しいものは手に入れるって言ってるんだよ」
顔を真っ赤にして怒りを露わにしている秀吉としれっとした顔をしている政宗。
天守閣で、しかも信長の御前で言い争いをしている。
言い争いの原因は、信長の寵愛している愛香の事である。
愛香の事が気に入っている政宗は、信長から奪うつもりがあると、信長の御前で宣言をしたのである。
それを聞いた秀吉が激怒し、政宗を叱り飛ばしていたのだ。
当然の事だが、信長も聞いていたのだが
「(流石、この俺が惚れた女だ)」
愛香がモテる事に対して自慢こそするが、嫉妬する事などない。
そもそも、信長には嫉妬をする概念など持ち合わせていないのである。
愛香が自分以外の男を選ぶ筈がない__
確固たる自信が彼にはあるのだから。
「愛香様は魅力的な方ですから惹かれてしまいますね」
場の空気が読めているのか、いないのか
(多分、後者の方)
三成の無邪気な言葉に秀吉の眉毛が、ピクッと動く。
「三成まで何を言い出すんだよ」
「私も愛香様をお慕いしていますよ」
「私も__だと?」
「だろ? あいつは良い女だ」
三成の言葉にうんうんと頷く政宗。
「御館様の女に手を出すなら三成といえども斬る!」
「ほう……じゃあ秀吉は切腹だな」
ニヤリと笑う政宗は更に言葉を続ける
「お前も愛香に惚れてるんだろ?」
「ば、馬鹿な事を言うな!!」