第24章 露天風呂/上杉謙信
「愛香」
顎を持ち上げられ、口移しでお酒が注ぎこまれていく。突然の事だったので上手く飲み込めなくて、口の端から滴り落ちていく。
「あ……」
こぼれ落ちた跡を拭うように舌が這っていく
それだけの行為なのに、火照ってしまう。
唇を合わせると唇が火照り
耳に指が触れると耳が火照る__
「ぁんっ……」
謙信様に触れられるといつも甘い声が出てしまい、不安だった心が消えていってしまう。
「お前は不安になる事はない」
「ん……」
鎖骨の下に軽い痛みがはしるのが心地良くて、謙信様の頭を抱えてしまう。
もっと愛してほしい
はしたないと思うけれど、蜜が流れていくのがわかる。
女の部分が謙信様を求めて、疼きが止まらない。
「今日の愛香はいつもと違うな」
「え……?」
「湯のせいか?
それとも酒に酔ったのか?」
「どちらだと思います?」
一瞬、考える素振りを見せるけど
「どちらでも構わん。愛香は愛香だからな」
薄く笑う謙信様が儚く見えて、消えてしまいそう
「力強く抱いて下さい……」
決して私を置いて行かないで
戦場ではなく、私と一緒にいる事に幸せを見出して
「ンッ……あ……」
私の中に入ってくる謙信様を受けとめる悦びに心が震える。
このまま刻が止まってしまえば良い
雪深いこの場所でいつまでも謙信様と二人っきりで愛し合っていたい__
*Fin*