第21章 甘いお仕置き/織田信長 豊臣秀吉
「ちょっと待って!」
近づいてくる秀吉を手で制し
「お仕置きの前に教えてよ。なんで私が呼ばれたの?」
「お前の本心を聞くためだ」
「へ?」
実は信長も秀吉も愛香に好意を抱いているが、肝心の愛香の気持ちが分からない。
俺様信長は、当然の事ながら愛香の気持ちは自分に向いていると主張する。
対する秀吉も愛香に関しては一歩も譲る気はなく、論争を繰り広げていたのだ。
終わりのない論争に嫌気がさした信長が直接、愛香に聞こうと言いだし呼ばれたのだが__
茶器を壊してしまったという事実が発覚し、ならば仕置きと称して我が物にしてしまおうと考えた信長であったが
我ながら姑息な手段ではあるが、欲しいものを手にいれるためなら手段などどうでもいいだろう。
との結論に達する。
秀吉も「仕置き」の意味を瞬時に悟り、信長には負けられない思いからそれに便乗することに決めたのだ。
信長様より俺の方が愛香を想っている事を体で教えてやる。
「愛香、逃げるなよ」
にじり寄る秀吉から後ずさる愛香は、自らの退路を絶ってしまっていた。
秀吉から逃げこんだ場所は信長の腕の中
「自ら仕置きされに来るとは__褒めてつかわす」
「あ……」
耳に息がかかり、信長の声が脳を揺らす。
強張っていた体の力が抜けたのを見逃す信長ではない。
愛香の唇を奪い強引な舌は、愛香の口内を犯しはじめ時に激しく、時に甘く攻めたてていく。
「こらっ……俺の事を忘れるなよ」
髪を1房すくい上げ愛おし気に口付けを落とすと愛香の腰をまさぐりはじめる秀吉。
「んっ……」
くすぐったい感覚に身を捩り、逃げようとするが信長の力強い腕が愛香を逃がさない。
「貴様はおとなしく仕置きをされていろ」
「俺と信長様が、たっぷりとお仕置きしてやるからな」
イケメン2人にお仕置きされるっていうよりはご褒美を貰っている気分になっちゃうんだけど……
実は彼女、俺様信長が好みのタイプでありながらも、秀吉の頭撫で撫でスキンシップに心を奪われているのであった。