第3章 嫉妬/織田信長(夢主side)
特にやる事もなく部屋から庭をぼんやりと眺めていたら
「愛香さま」
「はい?」
「信長様がお呼びです」
「わかりました」
平然とした顔で返事をするけど、心の中では
嬉しくて胸がドキドキとする。
久しぶりに会えるんだ
最近の信長様は、とても忙しいらしく
なかなか会う事も出来ない。
同じお城に住んでいるのに会えないなんて
寂しすぎるよ。
身支度をすませ、足早に信長様の部屋へと急ぐ。
「愛香、そんなに急いでどこに行くんだ?」
「光秀さん」
相変わらず薄笑いを浮かべている。
「信長様の所に……あ!!」
信長様に会える嬉しさから
つい、本当の事を言ってしまった。
「ほう……」
「うっ……」
口角だけを上げて私の顔を覗き込んでくる光秀さんの顔は__
何か悪巧みを考えているみたいで
(私が困っていると物凄く喜ぶんだよね。
ちょっと意地悪)
「急いでいますので」
一礼をして光秀さんの脇を通り過ぎようとすると、腕を引かれて光秀さんの腕の中に
ギュッと抱きしめられて
「っ……は、離して下さいっ」
「ああ……すまないな。愛香が可愛いらしくてつい……なっ」
すぐに腕をほどいて解放してくれたんだけど
絶対に私で遊んでるよね?