第18章 ワカメ酒/上杉謙信陣営
此処は春日山城
新年を迎え広間では謙信、信玄、幸村、佐助。
そして新年の挨拶にやってきた愛香の5人が酒を酌み交わしていた。
「愛香、盃が空になってるぞ。ほらっ、呑めよ」
「これ以上吞んだら……酔っちゃうよ……」
ほんのりと桜色をした頬
酔いのせいか瞳も潤んでいて、いつもと違う女の色香を放っている。
「(やべー。めちゃくちゃ色っぽいよな?)」
密かに愛香に恋心を抱く幸村には
今の愛香は目の毒である。
見ているだけで、触れたい衝動に駆られてしまう。
もちろん、若くて素直な幸村の躰は正直に勃起状態。
女慣れしていない幸村は、素で愛香を口説くなんて出来るわけない。
卑怯な考えだと分かってはいるが、酒の力を借りて今夜__
「(愛香に想いを伝えるぞ!)」
と意気込んでいるのを謙信も信玄も佐助も分かっている。分からないのは、愛香だけ。
「(幸村如きに愛香を取られるのは癪にさわるな)」
「(天女を今宵抱くのはこの俺だ)」
「(幸には悪いけど愛香さんは、俺が守る)」
三者三様、想いが乱れとぶが
そんな事とは知らない愛香は、美味しいお酒を堪能中。