第8章 誰の顔も浮かんでこないわ
そう、ここは私と征十郎のクラス。つまり1-Aだ。
そしてここで重要なのは、修ちゃんはこのクラスでもないし、ましてや二年生だ。
何か用でもあるのか、と思えばそうではなく、先程から私のお弁当のおかずをちょいちょいつまみながら、正直どうでもいい話ばかりしている。
「あんだよ、用があるから来てんだろ」
「じゃあ早く用件を言ってちょうだい」
私はともかく、征十郎は生徒会に所属しているので、昼休みになると一軍メンバーで学食で食べるとき以外は、早々と食事を済ませ多忙にしている。
「あれだよ。お前明後日バレンタインだってこと覚えてんのかなーと思ってよ」
何よ、そんなこと…。
…って、
「えっっ?!」
「ああ、そういえばそうでしたね」