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青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第28章 エピローグ



「本当にここでいいのか?」

「ええ、ありがとう」


私は今日、京都へ立つ。

駅のホームまで見送る、という両親の申し出を断り、私は京都行きの切符をもって改札を抜けた。


洛山高校は男子寮しかないらしく、私は今日から一人暮らし。

先に送っていた荷物やら家電やら家具は、私があちらに着くころに届く予定だ。

楽しかった思い出と悲しくも酷すぎる思い出が沢山詰まったこの町に、私は小さく別れを告げた。



眠っていれば案外早く着くもので、二時間半ほどで京都に到着した。

不動産屋で鍵を受け取った後、駅の近くのアパートまでキャリーバッグを引き、私は今日からの新居へと入った。

その後は、引っ越し業者がやってきて大忙し。

全ての片づけが終わったのは、明け方になってからのこと。


「…っと、いけないわ」


私はキャリーバッグから、三つの写真たてを出し、真新しい棚の上にコトッと置いた。



一つは、修ちゃんと久保田先輩と撮った帝光祭の写真。

一つは、ずっと私を支えてくれた優ちゃんとの写真。

一つは、全中二連覇した時に修ちゃんにお願いして撮ってもらった皆での写真。



私はその写真を眺めながら、微睡み始めた。


「…もう…逃げない…から」




END.

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