第20章 馬鹿っ!
三泊四日の合宿が始まり、合宿の主な日程スケジュールの確認を征十郎が始める。
まず、今日の一日目と二日目は、宿泊先の近くで借りた体育館で通常練習。
だが、他校もその体育館を使うわけで、空き時間は浜での練習。
三日目は練習試合が入っている。
そして、最終日はお待ちかねの海水浴だ。
「浜って走りにくいから嫌いなんだけどー」
「文句を言うな。これは華澄が言ったんだ」
「藍ちんがー?じゃー仕方ないなー」
浜練を嫌だとごねるあっくんに、征十郎は早く行くように促す。
先程、征十郎が言った通り、この浜練は私が提案したもの。
折角海の近くで合宿なのだ。こんないい練習場所を逃すなど勿体ない。
「あ゛あ゛?また華澄が余計なこと言い出したのかよ」
「余計なこととは何よ」
大ちゃんは面倒くさそうにして、私を見ながら言う。
「何スか?またって」
「ああ、黄瀬と黒子は去年はいなかったから知らないのだな」
「去年も藍川さんが何か言ったんですか?」
「その通りなのだよ」
去年のことを思い出すように真ちゃんは話し出す。