第17章 仕方ないわよね…
その後の地区予選も順調にコマを進めていき、都大会進出はあっけなく決まった。
が、ここで一つ問題が起きた。
「青峰君が休み…?」
放課後の部活時、もうすぐ練習が始まるというのに、大ちゃんの姿が見当たらない。
私とさっちゃんで探しに行ったのだが、どこにもおらず、黄瀬が連絡してもつながらない、という。
「風邪か何かですか?」
「さー?電話してもつながんないんスよね」
「桃井、何か聞いているか?」
「ごめん、私にもさっぱり…」
あのバスケが大好きな大ちゃんが練習を休むなんて、よっぽどの何か理由があるのだろう。
私は甘く考えていた。
「とりあえず理由がわかったら教えてくれ。話はそれからだ」
「珍しいッスね、青峰っちが練習休むなんて…」
「まーどーせすぐ戻ってくるんじゃないのー?」
そう。
きっとすぐに「悪りぃ、遅れた」なんて言いながら、体育館に入ってくるに違いない。