第16章 やめときな
「何故そんなところに突っ立っているのだよ!今のはお前がスクリーンをかければ俺が完全にフリーだっただろう!」
「はあー?ミドチンこそこっちにパス入れろし。んなメンドクサイことやんなくても俺が決めりゃいーじゃん!」
「「俺が決めた方がいい」のだよ」
先日の一件から二日。
今日はお前たちか。
「うわー」
「喧嘩やめろオイっ」
部員たちも二人の間に入って止めようとはするが、なかなか治まらない。
あー、もう。
予選が近いっていうのに、どうしてこうも毎日毎日…。
また私が止めるしかないか、と思った時。
テツ君が二人の間に入っていくのが見えた。
「喧嘩はやめてください。今の二人なら、僕でも勝てますよ」
「!」
「練習後、勝負してくれれば証明して見せます」
「ゲロ吐きそうな奴が何言ってんの!?」
…とりあえず、バケツとタオルは用意しておこう。