第14章 真面目に聞いているの
無事中間考査も終わり、そろそろ”あの人”が練習に顔を出し始める頃か…。
なんて考えていた五月下旬。
「では、帝光祭の出し物を決めまーす!」
来月、六月にはここ帝光中学校の創立記念日があり、それに合わせて学園祭が開催される。
今はHR中で、クラスの出し物を決めている最中。
「ねぇねぇ。華澄ちゃんは今年も出るの?」
マネージャー仲間であり、現在隣の席のあっちゃんが小声で尋ねてくる。
「出るって…何に?」
「何って、ミスコンに決まってるでしょ」
「あー…、そういえば実行委員から言われたわね」
去年の帝光祭のミスコンでは一年生にしてまさかのグランプリ。
そんな私が今年は出ない、ということが許されるはずもなく、数日前に実行委員からお願いされたのを思い出した。
「最初は断ったのよ?でも征十郎が出ろ、って言うの…」
「赤司君、実行委員だもんねー」
生徒会に、帝光祭実行委員に、副主将に…他にも探せばまだまだ彼の役職は出てくるのではないか、と私は考えた。