【恋の乱】才蔵さんと過ごす四季【章により裏R18あり】
第2章 春〜花見〜
私は火照った顔を隠すように俯いた。
でも才蔵さんは俯いた私の顎をとり
くいっと自分の方へ向ける。
「ただいま…」
そう言うとそのまま優しく唇を重ねられる。
何度か啄むような口付けを落とされる。
唇が離れると才蔵さんに
肩を抱き寄せられる。
「お帰りなさい…」
そして私は才蔵さんの肩に頭をもたれかけた。
丁度夕陽が沈み始めている。
空が茜色に染まり、
桜の薄桃色とあいまって
幻想的な眺めになっている。
「うわっ…」
私は思わずため息を漏らしてしまった。
「これをお前さんに見せたかった」
才蔵さんに肩を抱かれたままその景色を見つめる。
「来年も再来年もその次も一緒に…見たいね」
「はい…」
私は小さくうなづいた。