【恋の乱】才蔵さんと過ごす四季【章により裏R18あり】
第6章 夏〜甘い時〜後半【裏R18】
昨日は結局、同じ部屋で布団を並べて寝た。
あやねと手をつないで。
俺もよく我慢できたなと感心する。
ああ、もう朝か。
あやねの方を見る。
すーすーと規則正しい寝息が聞こえる。
うん、まだ寝てる。今日もあやねを甘やかそう。
俺は朝餉の支度を始めるために起き上がった。
眩しい光に眼が覚める。
才蔵さんは、もういない。
いい匂いが漂ってきてるので、朝餉の支度をしてるのかな。
嬉しいな。
私は才蔵さんに甘えるのが楽しくなってきていた。
だって、才蔵さんが甘えろって言ってるし…。
私はお姫様気分で才蔵さんを待つことにした。
「お待たせ」
お盆を持った才蔵さんが部屋に入ってくる。
「おはようございます」
「おはよう。よく眠れたみたいだね。」
そう言って私の近くに座りお盆を置く。
「はい。」
「じゃあ、ご飯にしようか。」
わあ、卵粥と漬物だ。
とてもいい香り。
才蔵さんがお茶碗に粥をよそって手渡してくれる。
でも私は受け取らない。
上目遣いで才蔵さんをじっとみる。
「何?食べないの?」
才蔵さんが怪訝な顔で私を見る。
「…また、食べさせて欲しいなあ、なんて…。
ダメですか?」
一瞬、才蔵さんが眼を見開いたが、すぐに優しい笑顔を作る。
「ふふ、また甘えん坊さんになったんだね。いいよ。」
「ちゃんとふーふーしてくださいね。」
「はいはい」
才蔵さんは、さじにお粥をすくい、息を吹きかけて冷ます。
そして、
「はい、あーん」
私の口元に持ってきて食べさせてくれる。
卵粥はしょうゆ味。刻んだ大根が入ってる。
お出汁がよくしみて美味しい。
「とても美味しいです!」と満面の笑みで思わず言ってしまった。
「ふふ、そりゃどーいたしまして」
ああ、才蔵さんの笑顔。ずっと見ていたい。
とっても優しいなあ。
ずっとこんな毎日が続けばいいのに。