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【恋の乱】才蔵さんと過ごす四季【章により裏R18あり】

第5章 夏〜甘い時〜前半


「これで眠れる?」
「…ここに…」
あやねが自分の額を指差す。
「ん?おでこ?」
「く、くちっ…やっぱりいいです…!」
右手をつないだまま、左手で布団を引き上げ顔を隠してしまった。

急に甘えん坊になったな。
俺はあやねの望んでいることがすぐにわかった。

でもそれをすると…。
俺、抑えられるかな。
まあ、今日はあやねを甘やかしたい気分だから。

「ほら、やったげるから、顔出してごらん。」
「冗談です…!!」
「いいから」
そう言っても必死で布団で顔を隠している。

「なら…」
と俺は掴んでいたあやねの右手の指を軽く喰む。
「きゃっ!」布団の中でこもった声が聞こえた。
思った通りの反応過ぎて面白い。

真っ赤な顔を布団から出して俺を見ている。
そこで俺は右手を取ったまま、素早くあやねの額に接吻をする。

「こうして欲しかったんでしょ?」
「やだ!冗談だったんです!ごめんなさい。」
布団を引き上げ、目だけを出してゴニョゴニョ言ってる。
ああ、こういうところがたまらなくかわいい。
本当は、もっとからかって口付け以上のことをしたい気持ちだけど。
捻挫が心配だし今夜はこれで引き下がることにした。

あやねの頭を撫でる。
「今日はこのままお休み。
寝るまで見ててあげるから。」
「才蔵さん、今日は本当にありがとうございました。
素敵な1日でした。」
「どういたしまして。
まあ、このお返しは明日たっぷりとしてもらうから。」

「はい、明日は歩けると思うので。
美味しいお料理やお菓子とか、作りますね。
あ、もちろんお掃除やお洗濯も。
明日は才蔵さんがゆっくりしてください。」
「ん、そっちは俺が明日もやるからいい。
あやねに返して欲しいのは…」
そして俺はあやねの耳元で本心を囁いた。

「なっ!!さ、才蔵さん!そんな、はっきりと!!」

耳まで真っ赤になって、また布団を引き上げ目だけを出している。
俺とは何度も体を重ねているくせに、まるで初めてのような反応をするんだな。
ま、そういうところがいいんだけどね。
そして俺はまた笑顔であやねを見つめた。
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