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【恋の乱】才蔵さんと過ごす四季【章により裏R18あり】

第5章 夏〜甘い時〜前半




何かを煮ているような匂いに鼻をくすぐられ、目をさます。

あれ、私、眠ってた?
あ、いい匂い。これは…雑炊?
才蔵さんが作ってるのかな。
少しはお手伝いしたいな。

そう思った私は、左足を庇いつつゆっくりと立ち上がり、匂いのする方へ向かおうと廊下に出た。

「こらっ」
「あ…」

土鍋とお茶碗をお盆に載せた才蔵さんと廊下で出くわす。

「この部屋にいろって言ったよね。」
「ごめんなさい…昼餉のお手伝いをと…」
「俺がするって言ったでしょ。
ほら、座って。家事は俺がするんだからさ。」
「すみません…」

「ほら、食べよう」
才蔵さんが座りお盆を畳の上に置いた。
そして土鍋の蓋をあける。
「うわ、美味しそう!ん…いい匂い…」
小さく刻んだ野菜と卵の雑炊のようだ。
赤と緑と黄の彩りが美しく食欲をそそられる。
そしてこの香りはお味噌?
もう、絶対美味しいに決まってる!
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