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【恋の乱】才蔵さんと過ごす四季【章により裏R18あり】

第5章 夏〜甘い時〜前半


俺とあやねは3日間だけ特別に二人きりで過ごす機会を得た。
先の戦では真田家の主君になる武田家にとって俺がかなりの功績を上げた。
俺のもたらした機密情報により相手方の奇襲攻撃を回避し、それを逆手に取る作戦で武田軍がほぼ無傷で勝利することができたからだ。
そして真田の殿から褒美として金子と領地を提示された。
でも、俺は領地はいらないと断った。

「忍者の身分では領地は不必要。
その代わり報奨金を二倍、あと休暇が三日欲しい」
と言ったのだ。

昌幸様と信幸様と幸村は、
「本当にそれだけでいいのか?」
とあっけにとられた表情をした。
(ほう、もっと金額を吊り上げてもいいのか?
長い付き合いだから気を使ってしまったが。)

「どうせなら一月くらいゆっくりしろよ」
と勧めてきた。
(あ、そっち?報奨金のほうじゃないんだ。だよね。)
「そうだよ。あやねと過ごしたいんだろ?
里にはひと月くらいの真田の任務だっていってさ。
たまにはゆっくり体をやすめろよ。」

「いや、いい。俺もそんなに暇じゃないから。
その代わり、その三日間は俺には絶対に連絡しないでよね。」
「お、おう、そりゃあもう…」
幸村は俺とあやねとのあらぬことを想像したのか、少し顔が赤らんでいる。

「本当に三日でいいのか?
まあ、延ばしたくなったらそのことを連絡してくれ。」
信幸様が微笑みながら言う。
あやねの顔が浮かびその言葉に少し気持ちが揺らぐ。

「いや、三日経てば連絡してもらっても結構です。
火急の用があれば佐助を通じてでも連絡をしてください。戻ります。」

「わかった。じゃあゆっくりしてこいよ。」
「有難うございます。」
俺は三人に深々と礼をした。
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