【恋の乱】才蔵さんと過ごす四季【章により裏R18あり】
第3章 冬【裏R18】〜寒い夜〜
冬の夜。
私は1日の仕事を終え褥に入っていた。
才蔵さんはまた任務で城を留守にしていた。
もう20日くらいかな。
今回は幸村様にも誰にも何も言わず行ってしまった。
なのでいつまでなのかということが全くわからない。
才蔵さんのこと大好きだけど、こういうの辛いな。
無事に帰ってこれるのだろうか。
今日も寒いけど、お体は大丈夫なんだろうか。
いつまで、っていうのだけでもわかれば少しは違うんだけどな。
まあでも、それを過ぎても帰ってこないともっと不安になるから、良し悪しなのかな?
などと取り留めのないことを考える。
才蔵さんが明日こそ帰って来ますように…。
私は褥の中で願をかけるのが日課のようになっていた。
そして昼間の疲れもありしばらくすると眠りへと落ちた。
……。
褥の中に違和感を感じて目が覚める。
え?誰かいる?
後ろから抱きつかれている。
あ、この手は…。
待ち遠しかった手だ。
でもいつの間に?
顔を見ようと身を捩らせるが、しっかり抱きしめられていて動けない。
「起きちゃった?」
ああ、聞きたかった声だ。
「才蔵さん、おかえりなさい…」
才蔵さんに抱きしめられたままつぶやく。
寝起きということもあり、すこし掠れた声になってしまった。
「このまま寝てて」
「そちらを向いてはだめですか?」
「このままがいい」
どうしちゃったのかな?
任務終わりにいきなり褥に入ってこられたのは初めてかも。
何かあったのかもしれない、と思い才蔵さんに従うこととした。
肩口に才蔵さんの顎が乗せられている。
「なんか寒い」
さらにぎゅっと抱きしめられる。
「ここ何日かかなり寒かったから…
お風邪のひきだちかも。
もう一枚お布団持って来ましょうか。」
「ん、このままでいい」
才蔵さんの息が首筋にかかり少しくすぐったい。
でも嬉しくてじっとしていた。
どれくらいそのままの体勢でいたのだろう。
私は安心したのもあり少しウトウトしていた。
するとまた別の違和感で目がさめる。