第1章 憧れ *Ruki
「めっずらしいね〜
ルーキくん♪」
廊下には彼の兄弟のコウが立っていた
「なにがだ?」
「えーー
ルキくんって今まで人間の女に自分から興味出すこと無かったじゃん。
だから俺、驚いたよ」
「ふっ、別にそんなことはない。
それに、あんなモノただの手駒だ。
大体、お前にどうこういわれる筋合いはない」
コウはルキの隣を並んで歩く
「うんん。口出しするつもりは無いよ。むしろ、何か安心した♪
気分転換にいいんじゃない?」
「コウ。俺達にはイブという存在がいるだろう。そして、俺達は蛇だ。
他の女を唆してどうする」
(唆してんのはルキも同じでしょーが)
「まぁ、そうだよね。
彼女以外の人間の女なんて、俺達にとっては脆い存在だ」
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私は彼と話して益々思う
彼はなんだか儚く見えた
そして、彼を追いかける事は、何だか罪に思えた
だから彼はずっと私の憧れとして
留めておこう
ーendー