第4章 4話
ゆっくり開く扉に私は口があんぐりと開いて閉じることを忘れかけていた。
扉の向こうは縦に長い食卓テーブルだった。
その長い食卓テーブルの真ん中の椅子から左側と右側に向かい合うように座っている整った顔立ちで落ち着いた雰囲気を持つ水色と赤色の髪の男の子が二人いた。一人は優雅に眼鏡を掛けて本を読みふけりもう1人は机に肘をつき、顎を手に乗せ悠然とした様子で私たち二人を見ていた。
赤い髪で悠然と私たちを見ていた彼は立ち上がり、水色の髪の彼も本をぱたっと閉じ軽く頭を下げて私たちを迎えた。
「こんばんは、待っていたよ。…さあ入って好きな所に腰掛けてくれて構わないよ。」
そう言って優しく微笑んだ赤髮の彼は私の隣にいるこの人とは別の系統だが綺麗な整った顔立ちに笑みを浮かべてそう促した。
「僕はお茶でも用意して来ますね。」
水色の彼は眼鏡を外しそう言うと奥の扉を開け出て行った。
私と金髪の彼は赤髪の彼の近くの席を選んだ。
「黄瀬、お前は自己紹介はしたのかい?」
「あ、忘れてたっス。」
「はぁ全く。…始めまして、俺は赤司征十朗だ。こちらのチャラチャラした金髪は黄瀬涼太。そして、先程出て行った眼鏡を掛けていたのが黒子テツヤだ。君の名前を聞いてもいいかな?」
赤司と言った赤髪の彼は赤い双眼で私を見た。
「私は篠田まりです。」
「そうか、篠田さん。君には幾つか質問をしてもいいかい?」
赤司さんがそう言うのを見計らうようにドアが開いて黒子さんが紅茶を入れたティーポット等を台車に乗せてやってきた。