Love Story~たくさんの 恋物語~【黒子のバスケ】
第2章 ムーンライトストーリー【赤司 征十郎】
席に着いて、隣の男の子の顔を見た途端、一瞬すべてが止まったかと思った。
「征く・・・ん」
そう、隣の席の男の子は、ずっと会いたかった彼だったのだ。
あの頃と雰囲気が少し変わったような気がしたが、彼はずっと会いたいと願っていた 赤司征十郎 だった。
「優奈、久しぶりだね」
そう言って征くんは優しく微笑んだ。
『運命の再会』
まさにその瞬間だった。
そして、自分の心臓がうるさいくらいにドキドキしている。
「征くん、久しぶり」
そう言って微笑むのが精一杯だった。
征くんが覚えてくれていたのがうれしくて、また一緒にいられるのがうれしくて。
「どうしよう・・・」
そんな言葉しか出てこない。
でも、二人の間に流れている空気は、あの頃と変わらなかったのだ。
「征くん、これからよろしくね!」
涙目になるのをグッとこらえて、私は笑顔でそう言った。
「優奈、本当に会いたかったよ。今すぐ抱きしめたいぐらいだ。こちらこそよろしく」
征くんはそう言って、また微笑んでくれた。
朝のHRが終わり、これから始業式が始まる。
征くんは、たくさんの書類を抱えていた。
「僕は生徒会もやっているんだ。もちろんバスケ部にも入っているよ」
中学時代に、征くんに何があったのかはわからない。
でも、バスケを続けていてくれた。
それがとてもうれしかった。
「ふふッ、すごく嬉しい。バスケ続けていてくれたんだ。
ねえ、今度見学に行ってもいいかな?」
彼にそう尋ねると
「もちろんだよ」
と答えてくれた。
「ありがとう!」
私は、満面の笑みで征くんにお礼を言った。
「///////////」
征くんの顔が赤い?
「征くん?征くん?」
私がそう呼びかけると、
彼は「なんとも・・ない」
とまだ少し顔を赤くしていたが
「さあ、僕は準備があるからまたあとで。今日は部活もないし一緒に帰ろう」
と言ってくれた。
「うん! 待ってるね!」
笑顔で手を振ると、さっと手をあげて彼は出て行った。
不安だった日本での生活
でも、もう大丈夫。
私には征くんがいる。
そして、気にかけてくれるクラスメイトもいる。
きっと素敵な学校生活になるハズ!
私達は整列をして、始業式へと向かった。
END