第7章 お久しぶりです月山さん。
「でもねぇ、そんなに余裕もないんだよねー、そこの所分かっておかないとねー、カネキケンくん?」
梟...エトさんがくすくすと笑う。
「あァ?余裕が無いってどういう事だ?」
アヤトくんが食い気味に尋ねる。僕も彼女の方に目を向けた。
「んっとね、何か、明日の夜?"あんていく"を包囲するってCCGの本部で聞いたんだぁ。」
「明日の夜ッ!?ってか、オメーは何でCCG本部に入れてンだ。」
「本の資料作戦またまた使っちゃったー。何か美味しそうな匂いの子がいたよ?」
明日の、夜。手が回るのが早いな。皆大丈夫だろうか。信じるしかない。でも、僕だって何かしたい。"あんていく"にはお世話になった。僕の大切な居場所。守らなきゃ。僕が、守らなきゃ。
「おい眼帯、この件...喰種が勝つとは限らねーみてェだぞ?」
「...うん...」
「おい聞いてンのか?眼帯、お前大丈夫かよ...?何か、すげェ顔してるぜ?」
はっと顔を上げるとアヤトくんが心配そうに眉を寄せて僕を覗き込んでいた。