第4章 我慢しないで下さい、月山さん。
「フゥン...元気だね。」
ぐりっ、と先端を強めに押される。声にならない声が喉から出て中に残っていた液体が名残の様に溢れ出す。月山さんはそこに口付け吸い上げた。
「ぅあ!っ、ひぅ...ぁ!」
強すぎる快感で霞む視界に彼の喉仏が動くのが見えた。月山さんの表情は余裕のあるものでは無くなっていた。微かに上気した肌と荒い息使いに欲情されている、と感じる。視線を下へ降ろすとスーツのズボンの前合わせが膨らんでいるのが見えた。
「...月山、さん。それ、辛くないですか?僕も、貴方にシたいです。」
僕は、いつの間にかそう口走っていた。男のものなんてくわえた事など無いのにも関わらず、体を起こして自分から彼のズボンに手を掛けた。
「なっ...!カ、カネキくん、無理はしなくて良いんだよ?」
慌てたような彼の言葉は無視してズボンのジッパーを下げ下着の中から昂りを取り出す。ずしっと重量感のあるそれは悔しいが僕のものとは比べ物にならないくらい大きく、熱く脈打っていた。こんなになるで、我慢してくれたんだ。そう思うと何故かそれをいとおしく感じる。
「...んっ...」
そっと先端に唇を付けてみる。それは思ったような匂いや苦味は無く、ぷにっと僕の唇を押し返してきた。