第4章 我慢しないで下さい、月山さん。
ぴくんっ、と震えるそれを息を吐きながら口一杯に頬張る。裏筋を舌でくすぐりながら少し入りきらない部分は手で擦って月山さんを高めようと動く。
「んっ、ふ...」
ちゅぷちゅぷと音をたてながら彼を見上げると余裕のない表情のまま少し微笑んで頭を撫でてくれた。気持ちいいのかよく分からない。もうちょっと激しくした方が良いのかな。そう考えながら少し強めに吸う。続けて頭を上下に振ってみる。
「...ん...」
月山さんの口から漏れた声は甘く艶やかで、何の刺激も受けていないのに僕の体はぞくっと震え昂りから透明の液体が溢れる。僕はただ舐めているだけなのに、気持ちいい。
「っ...カネキくん、離して、くれたまえ...」
苦しそうな声が頭上から降ってくる。月山さんを見上げてどうしてですか、と眼で訴えると彼はイきそうだ、と囁いた。彼は僕に自分の精液を飲ませたく無いらしい。理不尽だ、と思う。自分は僕のを舐めたくせに。彼が僕を引き離そうと軽く肩を押してきたが僕は頑として離れなかった。
「カネキ、くんっ...も、っ...ぅ!」
びくんっ、と月山さんの体が跳ね僕の口の中に熱い液体が流れ込む。それは甘美な酒のように僕の神経を焼いた。全て飲み干して唇を離す。
「んっ、ふぁ...美味しい...やっぱり何時も美味しいもの食べてるからですかね...?さすが美食家...」
そう囁くと彼は無理して飲まないでも良かったのに、と呟いた。
「無理して無いですよ。貴方のだから飲みたかったんです。」
「っ...!」
首を傾げて少し微笑んでみせると月山さんは顔を微かに赤くしてふぅ、と息を吐きながら僕の頭を撫でた。