第4章 非日常
「・・・今何時だと思ってンの」
わお、電話の向こうから恐ろしく低い声が帰ってきたYO!
そんなことを思いつつベッドの近くの時計を確認した
「・・・9時・・・だけど?」
あれ、集合ってお昼だったよね・・・?
泊まりで行くんじゃなかったっけ・・・?
「はぁああああ!?は、ちょ、それ秒針動いてる!?」
「んー・・・」
もう一度時計を確認した
・・・あれ、動いてない?
・・・・あ、壊れてるのか、そっか、そっか・・・。
ゆっくりと窓に目線を向けた
「な、なんだとっ!」
びゅん、と効果音がつきそうな勢いで時計に目を向けた
何度見ても、それは壊れているという証明にしかならなくて
あたしの心を絶望に染め上げた
たぶん、今のあたしの顔すごいと思う
例えるならムンク、ってとこか・・・
「・・・悪いと思ってるよね?」
「思ってまぁす・・・」
「だったらさっさと着替えてこんかぁぁあああい!」
「い、いえっさ!」
愛紀の大きな声を最後に通話が終わった
ツー、ツーと無機質な音を立てる機械の画面の端
そこには13:04の数字が
あぁ、こんなに遅刻してたんだなと考える頭とは別に
体はすごいスピードで動き出す
あぁ・・・愛紀に出会いたくない