第20章 たまにはブレイクタイムも必要で
「あ……すみません。煩かったですよね……」
女は昏葉と目を合わせると目を伏せた。少しだけ瞼が腫れている。
「……煩くなんてないわ」
昏葉はグラスに注がれたお酒を煽る。
「それが今のあなたの気持ちでしょ? 辛くて悔しくて歯痒くて……全部、大事な気持ちじゃない。それをぶち撒けるところは必要よ」
昏葉はにこりと笑った。
「私で良かったら、話を聞こうか?」
「……」
昏葉の言葉を黙って聞いていた女だったが、徐々に目に涙が溜まっていく。
「姉さーん!」
そして、叫ぶと昏葉に抱き付いた。女は彼女を拒まずに、優しく受け入れた。
その後、女は昏葉に仕事の愚痴を話し続け、昏葉はお酒を呑みながらそれを聞いていた。
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