第15章 コスプレするなら心まで飾れ 〜対決、宇宙海賊春雨〜
「わかった」
女は扉の外へと出て、周りを警戒しながら縄を縛れそうな場所を探す。すると、周りを取り囲む柵の部分に少し出っ張りがあった。縄が解けないように、頑丈に結びつける。
「ここは侍の国だぞ! お前らなんか出て行け!」
辺りに木霊したその言葉を聞き、女はハッとして顔を上げた。下の甲板では新八が天人に必死に抵抗しており、そして……。
「神楽ちゃん!」
夜兎の少女が軽い身のこなしでボスの顔面へと蹴りを入れ、宙に浮いていた。
「銀! 神楽ちゃんが!」
昏葉が言うよりも早く、銀髪の男は扉から出て来て柵を飛び越えた。
「……え?」
それは決して、怪我人がしてもいい行動ではない。
「ちょっと、銀……」
「待てェェェェェ!」
柵の下を覗き込むと、銀時は壁の上を器用に走っていた。
「待て待て待て待て……待てェェェェェ!」
そして、落ちて行った神楽を抱き留める。
「ひふへ……ほー!」
叫びながら、高くジャンプをして甲板へと飛び降りた。が、勢いがつきすぎて床を滑り、何かにぶつかって大きな音を立てた。縄は運良く長さは足りたが、左手にはめていたフックが外れる。
「……本当に……」
ー無茶ばかりする。
女は心配してその様子を上から見ていたが、男が立ち上がって頭を掻いている様子を見て安堵した。