第15章 コスプレするなら心まで飾れ 〜対決、宇宙海賊春雨〜
ダダダダダッ
海賊の格好をした3人が宇宙海賊春雨の船の中を懸命に駆けている。
「おい、銀時! 昏葉!」
「何、桂」
敵に見つからないように隠れながら、桂は昔の仲間だった2人に話しかける。
「俺は“転生郷”を探してくる! お前らは奴らのところへ行け!」
「え!? ちょっと!」
それだけ言うと、桂は自慢の足で別の道へと駆けて行った。
「あいつ……」
「つまり、ボスは俺に譲ってくれるってこったー」
銀時は敵がいないことを確認すると、近くの扉まで走った。昏葉はそれに続く。
「そうだけど……敵の人数が分からない中で、別行動をとるのは危険だわ」
「お前、誰に向かって言ってんだよ」
銀髪の男は女を振り返って、ニヤリと口角を上げて笑った。
「あいつを誰だと思ってやがる」
「……」
(確かにね)
女はふっと笑った。
「杞憂だったわ」
「だろ?」
銀時は扉を少し開いた。外の様子を確認する。外からは人の声が聞こえてきて、とても騒がしい。
「!?」
男の目が見開いた。
「どうしたの、銀」
「……いた」
女は扉の中から、恐る恐る外へと顔を覗かせる。そこからは、船の甲板の様子がよく見えた。
「! あれは……」