第13章 コスプレするなら心まで飾れ 〜荷物の重さ〜
「と言うか、あいつらは一体何なんだ?」
「宇宙海賊春雨。銀河系で最大の規模を誇る犯罪シンジケート。奴らの主だった収入源は、非合法薬物の売買による利益。その触手が末端とは言え、地球にも及んでいるというわけだ……」
「……」
昏葉は隣で話している桂を見つめながら、黙って話を聞いている。
(犯罪シンジケート……)
「天人に侵された幕府や警察機構など宛にできん。我らの手でどうにかしようと思っていたのだが、貴様がそれ程追い詰められるくらいだ。余程の強敵らしい」
「……」
ー確かにその通りだ。銀時は並大抵の強さではない。白夜叉と呼ばれ、攘夷志士の四天王に謳われていた彼に傷を負わせる相手だ。油断したら、こちらが殺られる。
重要な話をしているにも関わらず、銀時は立ち上がってどこかへと歩いて行く。
桂は気にせず、話を続けた。
「時期尚早かもしれんが……おい! 聞いているのか!」
いや、気にしていた。
「ちょっと、銀! どこに行くの!」
桂と昏葉が止めているにも関わらず、銀髪の男は布団の横に置かれていた自身の羽織を手を取り肩へと掛ける。そして、縁側の方へと歩いて行く。
「仲間が攫われた。ほっとくわけにはいかねェ」
「……その体で勝てるの?」