第13章 コスプレするなら心まで飾れ 〜荷物の重さ〜
桂は銀時が万事屋の依頼で助けた少女のことを話した。
「あのクソガキめ……」
銀髪の髪を掻きながら、男は悔しそうに顔を歪めた。
「と言うか、あんたは何であんな所にいたの?」
「と言うか、何でお前らに助けられてんだ、俺は」
「と言うか、助けたのは昏葉だ」
「と言うか、この前のこと謝れ、この野郎ー」
「と言うか、お前はこれを知っているか?」
桂は着物の袖からとある物を取り出して、銀時に見せた。
「ん?」
「最近、巷で出回っている“転生郷”と呼ばれる非合法薬物だ。辺境の星にだけ咲く植物から作られる。依存性も強い。使用した者は皆、例外なく悲惨な末路を辿っている」
「……」
(さっきの店のマスターが言っていたのはこれのことね……)
「天人がもたらしたこの悪魔を根絶やしにすべく、我々攘夷党も情報を集めていたんだ」
「私も他の情報を集めていた時に、たまたまその薬の噂を聞いたの。それで、たまたまその辺りを歩いていたら、あんたが上から落ちてきたの。運の良かったことに、近くに桂の仲間がたまたまいてくれたから、桂に連絡を取ってもらってここまで運んだってわけ」
「たまたまにたまたまが重なったことだが……昏葉が見つけなかったら、今頃どうなっていたことか」
「……」
(銀時は運がいいから、野垂れ死ぬことはなかったと思うけど……)
「と言うか、お前は何であんな所にいたんだ?」