第13章 コスプレするなら心まで飾れ 〜荷物の重さ〜
「!?」
銀時は悪夢で目が覚めて、勢いよく上半身を起き上がらせる。
「……」
何が起こっているのか分からず、周りをキョロキョロと見回す。
襖が開く音がしてそちらを見ると、青い着物を着た髪の毛の長い男とつい先日会ったばかりの女が部屋の中へと入って来た。
「柄にもなく、うなされていたようだな」
「昔の夢でも見たの?」
「ヅラ……昏葉……何でてめェらが……」
それと同時に、脳裏に天人たちに連れ去られた新八と神楽の姿が浮かんだ。
「あ! そうだ!」
急いで助けに行こうとして、男は立ち上がろうとした。しかし……。
「!?」
体を動かしただけで、酷い激痛が体中を駆け巡る。
「うっ……」
「銀時!」
銀時はそのまま、布団へうつ伏せに倒れてしまった。
「銀! 大丈夫!?」
昏葉は急いで、彼の元へと近寄った。
桂は落ち着いて、布団の傍らへと正座をする。
「無理しないで。左腕は刀で斬られたせいで治るまでは動かせないし、肋骨も何本かやられてるわ……」
銀時を抱き起こしながら、昏葉は今の状態を説明する。
「向こうはもっと重傷だ」
桂はそれに付け加える形で、淡々と話し始める。
「お前が庇ったおかげで外傷はそうでもないが、体中が薬に蝕まれている。処置が早かったのが不幸中の幸いだが、果たして回復するかどうか……」