第13章 コスプレするなら心まで飾れ 〜荷物の重さ〜
ーー煙があちらこちらから立ち上っている戦場。足元には死体が転がっている。その中を白銀の頭の男が誰かをおぶって進んでいる。
「頑張れ、おい。絶対に死なせねェから。俺が必ず助けてやるからよー」
『捨てちまえよ、そんなもん』
「!?」
どこからか聞こえてくる声に立ち止まって振り返る。
声が聞こえて来る先には骸骨になった死体がいた。
『どうせそいつは助からねェ。てめェには誰かを守るなんて、できっこねェんだ。今まで一度だって、大切なもんを守り切れたことなんてあったか? 目の前の敵を斬って斬って斬りまくって、それで何が残った? ただの死体の山じゃねェか。てめェは無力だ。もう全部捨てて、楽になっちまえよ』
骸骨の言うことを無視して先に進もうとするが、おぶっていた人間が骸骨になって耳元で囁く。
『お前に守れるもんなんて、何もねェんだよ!』
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