第8章 何よりも自分の命を大切にしろ 〜交わる想い〜
「や、あっ!」
自分の耳の中を銀時の舌が出たり入ったりしている。それだけなのに……。
「んっ! あ……」
その感覚がこそばゆくて、また……気持ち良くて……。
(このままじゃ……ダメだ)
ーこのままじゃ、呑まれてしまう。
「ぎ、ん……ァ……お願い、やめ……」
「やめてじゃねェだろ?」
「や、め!」
再び、銀時に対して拒絶をしようとしたが、クチュクチュと耳の中や外を念入りに舐められてしまう。
「銀……もう……」
「何? もう俺のが欲しくなったの?」
「違う!」
昏葉はその言葉で溺れてしまいそうだった思考をなんとか戻すことができた。そして、銀時を突き飛ばした。
「痛!」
銀時は反動で床に思いっきり頭をぶつけた。
「痛ェ……テメェ、何すんだ!」
「何すんだじゃないわよ!」
乱れた着物を直しつつ、女は男を睨んだ。
「何しようとしてんのよ!」
「S◯Xだけど?」
「そういう意味じゃなくて!」
顔をこれ以上にないほど真っ赤にして、昏葉は銀時を怒った。
「どうして、その……アレをしようと思ったの?」
恥ずかしそうに顔を俯かせて女は男に聞いた。
「……」
銀時はため息をついた。
「……お前、やっぱり俺のこと誘ってんだろ?」